著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【梅毒】新たな薬によって1回の注射だけで治療が可能になった

公開日: 更新日:

梅毒」は梅毒トレポネーマという細菌が感染することで起こる感染症です。性行為により、粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。感染すると、性器や肛門、口にしこりができたり、全身に発疹が現れたりしますが、いったん症状が消えるため治ったと間違われることもあり、発見が遅れる危険があります。

 検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、脳や心臓に重大な合併症を起こすケースがあります。無症状のまま進行する場合もあるため、治ったことを確認しないで治療を途中でやめてしまわないようにすることも重要です。

 ほかの性感染症の患者数は横ばいなのに対し、梅毒の患者数は右肩上がりに増加しています。2021年度は7000人を超え、過去最多の患者数を記録しているのです。梅毒は潜伏期間が長い(10~90日)のが特徴で、感染しても症状が出ない人もいます。そのため、気がつきにくく検査を受けないと感染したかどうかは分かりません。気になることがある場合は、検査を受けることをおすすめします。

 梅毒の治療にはアモキシシリンやミノサイクリンといった経口抗菌薬を4週間服用するのが一般的です。しかし、今年1月末に「持続性ペニシリン注射剤」が発売され、1回の注射だけでも治療が可能となりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…