性感染症編(5)EDだけじゃない 糖尿病の男性は包皮炎に注意
亀頭部分や包皮が、かゆみや痛みが伴い、赤くなることがある。カンジダ性亀頭包皮炎と呼ばれる病態だ。
「糖尿病になると真菌の一種である常在菌のカンジダ菌と他の常在菌のバランスが崩れてカンジダ菌が性器に増殖する、『性器カンジダ症』を男女ともに発症する可能性があります。男性はそこからカンジダ性亀頭包皮炎になることがあるのです」
包皮炎になった人が怖いのは包皮の傷によって梅毒や尖圭コンジローマなどといった他の性感染症を合併しやすくなることだ。
しかもこれらの病気は糖尿病が原因だが、60歳以上の男性は糖尿病になりやすいから注意したい。
実際、厚生労働省の令和元(2019)年の「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる人」の割合は、全体では男性19.7%だが、60~69歳では男性25.3%とその割合が高くなっている。
糖尿病専門医はパンツの中を見ない。そのため、見つかりにくいし、多くの人はそうした病気があることも知らない。しかし、糖尿病の影響はプライベートゾーンにも及ぶことは覚えておくことだ。