著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

血管の老化が原因だったはずが… 脳梗塞は若年層で増えている

公開日: 更新日:

 脳梗塞は脳の血管が詰まって血液が流れなくなる病気で、重症では命に関わりますし、体が動かなくなるマヒなど、深刻な後遺症を残すこともあります。その原因の多くは血管が硬くなる動脈硬化で、そのため血管が老化する高齢者に多い病気と考えられてきました。

 ところが、最近若くても脳梗塞を起こすという事例が増えて問題となっています。今年の米国医師会による医学誌に、イギリスでの調査結果が報告されています。それによると、2010年から2018年に報告されている脳梗塞は、それ以前の時期と比較して、55歳以上の年齢では減少している一方で、55歳未満という比較的若い年齢では、増加していることが明らかになったのです。

 この若い年齢で発症する脳梗塞は、高血圧糖尿病肥満など、動脈硬化を進める原因となるような病気を持っていると起こりやすいのですが、そうした病気を持っていない人でも増えています。そして、急性心筋梗塞など他の動脈硬化の病気では、そうした若年層での増加は見られていません。この若い年齢での脳梗塞は、ストレスの強い仕事をしていると起こりやすいという特徴も指摘されています。

 ストレス社会といわれる現代では、血管の老化がストレスの影響で早く進行して、こうした現象が起こっているのかも知れません。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース