「緑内障」は中途失明の原因1位の病気だが…正しく知れば怖くない
「房水の出口が急に閉じてしまう『急性緑内障発作』では猛烈な吐き気や頭痛に襲われる。そのため、病気の発症が明白にわかります。しかし、開放隅角緑内障の場合には、それがありません。しかも、中心視力は侵されず、周辺部の視野欠損で始まります。そのため、自分が緑内障と気が付かないまま日を過ごしている人が緑内障患者の80%にも及ぶのです」
とはいえ、視野が欠け続けていけば、途中で気が付くのではないか、と思う人もいるかもしれない。しかし、目にはそうならない仕組みがあるという。
「視野に欠損があっても、脳が周りの視野の色合いを使って欠けた部分を埋め合わせてしまうのです。そのため片目を隠して世界を眺めても最後まで視野欠損があることにはなかなか気が付けないのです」
目の異常に気付くには眼科検診を受けることだ。
「最も容易に異常を見つけられる方法は眼底写真による判定です。視神経乳頭陥凹拡大というのが緑内障の疑いという意味です。その場合には、眼圧測定、3次元画像解析、それに視野検査をします。実際には眼圧があまり高くないタイプ、つまり正常眼圧緑内障が過半数を占めます。まして、自分で眼圧の上昇や、視野の欠損に気が付くことはまれです。ですから、眼科検診を定期的に受けることが大切なのです」