逆流性食道炎がある人は胸の痛みの原因をしっかり鑑別する
実際、足の血管が詰まっていることで日頃から足に痛みがある人が、なんとなく胸部に痛みのような違和感を感じて検査を受けたところ、狭心症が発覚したというケースもあります。足以外でも、慢性的な痛みが表れる疾患を抱えている人は、心臓発作の小さな“サイン”を見逃さないように意識しましょう。
■心臓疾患を疑って検査を受けてみると…
「逆流性食道炎」も、心臓発作による痛みなのかどうかをしっかり鑑別しなければならない疾患です。胃液や食べたものが胃から食道に逆流して起こる疾患で、内視鏡検査で食道に炎症が認められる場合、それに該当します。逆流性食道炎では、胸やけ、胸の痛み、胸のつかえ感などの症状が繰り返し出るので、心臓発作ではないかどうかをしっかり見極めることが重要なのです。
実際、胸に痛みが出て心臓発作ではないかと疑って検査を受けてみたら、心臓に問題はなく逆流性食道炎だったというケースは少なくありません。もちろん、その逆もありえます。心臓発作だった場合は迅速に処置しなければ命を失うケースもありますし、逆流性食道炎の場合でも食道がんになりやすくなるので適切な治療が必要です。きちんと鑑別しなければならないのはそのためです。