在宅でも「褥瘡」の治療は可能 形成外科的処置で壊死部分をかき出す
これまで通院で治療を受けてきたけど、ある時から自力での通院が難しくなり、自宅での療養に切り替えた、という方はかなりいます。
中には、主治医から入院を勧められた方もいます。それでも、在宅医療を選択した理由は、患う病気の状況、病気や療養に対する考え方、生活する上でのモチベーション、生活環境によって異なります。ご家族や身内の方の思惑などその患者さんを取り巻くさまざまな要因や、ライフスタイルへのこだわりといったことによっても大きく違ってきます。
いずれにしても自宅療養を開始するにあたって、患者さんがどの程度まで移動・排泄・食事などの最低限のADL(日常生活動作)ができるのか、その方の置かれた状況を私たちも認識し共有することが重要になってきます。それが自宅で過ごす上でのQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)に大きく関係してくるからです。
自宅での療養を始めた80歳の独り暮らしの女性。この方はもともと長年にわたる糖尿病で、皮膚の炎症を起こしやすく、細菌感染で皮膚や脂肪組織などに炎症を起こす蜂窩織炎(ほうかしきえん)を患っていました。