最期の時を飼い猫と一緒に過ごしたい…だから自宅を選ぶ
これまで入院していた病院では、月に1度の輸血を受けていました。しかし、原因を探るための精査はもう受けたくないということで、在宅医療へ切り替えたのです。貧血で心不全の悪化を繰り返しており、利尿剤などによる対症療法でコントロールしていきたい、との希望がありました。また、ご家族の希望としては「退院し自宅に戻ったら、点滴を外し、食べたいものや飲みたいものをできるだけ食べさせてあげたい!」というもの。
病院ではリハビリも進まず、退院時には車椅子でさえ長く座ることができないほどで、確実にそして緩やかに衰えていくご様子でした。しかし、在宅医療を本人に決断させたものは果たして、自宅で飼われている1匹の猫ちゃんに会うためだったのでした。
「もともと元気で病院に本人が歩いて行って輸血していたんですが、年末に緊急で違う病院に搬送され、入院中に食が細くなって精神的にも参っちゃって、家に帰りたいって希望だったのでかなえてあげたいなって」(長男)
「最後の輸血はいつでしたか?」(私)
「先週かその前って」(娘)