【男性不妊】世界中で精子の数が減少している…40年で60%減との報告も
精子のDNA断片化の対策には、さらに「精巣内の酸化ストレスを中和する抗酸化剤の服用」「陰嚢冷却」がある。
「陰嚢の温度が上がるのは、精子に対してよくない。陰嚢温度が上昇する要因としては、発熱、長時間の座位、高温での入浴、体にフィットする下着、そして精索静脈瘤などがあります」
マサチューセッツ総合病院による不妊治療を行うカップルの男性パートナー656人の下着の調査では、ボクサータイプのようなゆるい下着に対し、ビキニやブリーフタイプといったタイトな下着の人は精子濃度や総精子数が低かった。
陰嚢温度上昇の要因に挙げた精索静脈瘤は、精巣から心臓へ戻る血液が逆流し、静脈が瘤のようになる病気だ。
精巣内の温度が2~3度上がるほか、酸化ストレスが増し、精巣内の低酸素状態を引き起こす。結果、DNA断片化に至る。一般男性の10~20%にみられ、男性不妊の原因の30%を占める。触診と超音波検査でわかる。
「ドップラー超音波(音のドップラー効果を利用して血液の流れる方向や速さを調べる)で血液の逆流が起こっていないかを調べます」