重症では手だてがなかった「円形脱毛症」にリウマチ治療薬が効果大

公開日: 更新日:

 治療は一般的に抗炎症作用を持つステロイドの塗り薬や局所注射のほか、クリニックによっては脱毛部分に液体窒素を当てる冷却療法や紫外線療法を行う。軽症の場合、これらの治療法で症状は回復するが、回復がみられない中等度以上では、患部にあえてかぶれを起こし、発毛を促進する局所免疫療法が行われる。

 重症とされる全頭型や汎発型に有効な治療法はこれまでなかったが、冒頭で触れたように、昨夏にオルミエントが初の治療薬として承認された。

「オルミエントは円形脱毛症治療薬の中で唯一世界基準で治療効果が証明された薬です。内服治療の対象は15歳以上で、脱毛面積が頭部全体の50%以上、かつ半年間以上治療の効果がみられなかった重症者のみ対象です。治療効果を判断するために1年間継続して服用するのをお勧めしますが、保険適用にもかかわらず自己負担額が毎月5万円前後と高額で、まだ患者さんの負担が大きいのが現状です」

 昨年発表された国際臨床試験のデータによると、オルミエントの服用を9カ月間継続すると、約40%の人の脱毛面積が20%(ウィッグを着用しなくても地毛で隠せる範囲)まで低下したことからも高い効果を期待できる。副作用は少ないとされているが、まれにヘルペスや鼻咽頭炎、コレステロール値の上昇がみられたとの報告もある。リスクについて事前に認識しておきたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…