白血病と闘うフリーアナの小澤由実さん「あと数か月放置していたら…」
連絡が一通り終わると、次は掃除と片付け。そして、家族にあてた「○○は△△してね」といった指示の張り紙をあちこちに貼りまくって、深夜にやっと入院の荷造りをしました。
バタバタの一日でしたが、寝る前に、わぁ~とこみ上げてくるものがあり「死」を意識したのか涙があふれ怖くなりました。「まだやりたいことがあったのになぁ」と落ち込んで……。でも、感傷に浸ったのはそのときぐらいで、すぐに「私は大丈夫だ、治る」という根拠のない自信が出てきたんです。「治った暁には、この経験を人に伝えよう」と、まだ治療も始まってないのに、全国講演することを考えていました(笑)。
「急性リンパ性白血病」とわかったのは入院してからです。治療の基本は抗がん剤による化学治療でした。最初は「寛解導入療法」といって、1カ月半ほどかけて点滴による強い抗がん剤で一気にがん細胞を叩く治療をしました。いきなり副作用の吐き気に襲われたものの、「まだ序盤だから」と限界まで我慢しました。
でも、そこまで我慢してしまうと、吐き気止めの薬を入れても効きにくくなると知り、以後は早め早めの吐き気止めを心がけ、強い吐き気はほとんどありませんでした。とはいえ胃がムカムカして食欲が落ち、体重は4~5キロ減りました。