「あどはだり蕎麦」青森で見つけた料理の正体は?
メニューで、「あどはだり蕎麦」というものを見つけて「???」となった。青森市の中心地から車で30分ほど行った蕎麦屋でのことだ。
同行者は青森県人。しかし、「あどはだり」は聞いたことがないという。彼は下北半島在住の下北弁。青森の言葉は、下北弁、津軽弁、南部弁と分かれており、彼いわく「ほかの方言は、何を言っているか分からないときがある」。ということは、「あどはだり」は下北弁以外の言葉?
彼がネットでちゃちゃっと調べてくれた。「あどはだり」の「あど」は「~のあと」、「はだり」は「はだる=欲しがる」。つまり、「あどはだり」は「もっと欲しい、もっと食べたい」。なるほどね!
その“もっと食べたい”蕎麦は、ホロホロに煮込んだ牛筋肉とネギが入った蕎麦だった。東京の黒いおつゆではなく、澄んだ色のスープ。ダシが効いていて、実に、おいしかった。
牛筋肉といえば、大阪南部の我が家では、まとめて煮て軟らかくした牛筋を、常に冷凍庫にストックしていた。お好み焼きに、おでんに、野菜の煮物に、カレーに、大活躍。家の味は“甘辛しょうゆ味”だったので、それとも違う「あどはだり蕎麦」の味付けは新鮮だった。思い出したら、気分は「あどはだり!」。(和)