スポーツでわが子に「ケガをさせない」「繰り返さない」ポイント…スポーツドクターに聞いた
■日常の姿勢がクセの原因になる
一方、慢性のケガは、痛む患部を休ませるとともに、スポーツのフォーム、さらには日常での姿勢(座位や立位)や動作(歩行、立ち座り)にも目を向け修正していくことが重要だ。
「ある中学生は投球指導後はフォームが良くなるのですが、現場ではまた元に戻ってしまう。リハビリ後、待合室で見ると、背中を丸めて下を向いてずっとゲームをしていました。背中が丸まり肩甲骨が前傾する姿勢が習慣になっていると、骨盤が後傾して股関節がうまく使えなくなりやすい。ボールを投げる時には体をねじるわけですが、下半身がうまく使えず、手だけで投げるようになる。すると肩や肘など局所を酷使することになり痛みが生じる。また骨盤が後方に倒れた姿勢は、のけぞるような走り方になり、太もも後面の筋肉(ハムストリングス)が短縮し伸縮がうまくいかず、肉離れを起こしやすくなります」
普段の姿勢については、診察時だけではわからないことも多い。本人が自覚していないこともよくある。親のチェックが役立つ。