【ガス壊疽】急速に進展し治療しても8人に1人は死に至る
治療しないで放置していると48時間以内に死に至る可能性があり、治療しても約8人に1人は死亡することが報告されています。壊死性筋膜炎と同様に適切な抗菌薬の投与、壊死組織の外科的除去(デブリードマン)が必要となります。
病原菌によっては「高気圧酸素療法」と呼ばれる治療を行う場合もあります。気密したタンクの中で酸素の圧力を大気圧以上に上げ、血液中に溶けている酸素の量を増やして体の隅々まで酸素を行き渡らせる治療法です。この高気圧酸素療法は、嫌気性細菌などに対する殺菌作用が期待され、壊死性筋膜炎や脳梗塞、急性一酸化炭素中毒などの治療にも用いられています。
私も以前、患者として高気圧酸素療法を受けた経験があります。治療の際に圧力を上げると、鼓膜が内側に押されるため「耳抜き」をしなければなりません。それができず、鼓膜を切開してチューブの留置を行い、治療に臨みました。