糖尿病患者の3割が罹患する「慢性便秘」は命にかかわる病気…死亡リスク20%増との報告も
糖尿病の薬が便秘を招く場合もある。たとえばベイスン、グルコバイ、セイブルなどの「α-グルコシダーゼ阻害薬」は腸の消化吸収を遅くする薬であるため、膨満感、放屁、下痢、便秘になることがある。
ビクトーザ、オゼンピック、リベルサス、トルリシティといった「GLP-1受容体作動薬」、ジャヌビア、テネリア、ネシーナといった「DPP-4阻害薬」は、インスリンの分泌を促すインクレチンを増やす薬だが、消化管の働きを抑えるため便秘に注意だ。
ジャディアンス、フォシーガ、スーグラといった「SGLT2阻害薬」はインスリンに依存せず過剰な尿糖の再吸収を抑えて血糖を抑制する薬。糖分が尿中に多く排泄されるため、尿の浸透圧が上り、尿量が増え脱水になりやすい。水分を取らない人は便秘になりやすい。
「便秘を防ぐには食生活と運動を見直しましょう。目的は腸内の食べ物を早く通過させること。糖尿病の人はダイエットのため食事量が少なく、食物繊維が不足がち。野菜やきのこ、海藻類、豆類など食物繊維の豊富な食べ物を食べましょう。主食は玄米や白米に雑穀を混ぜたものに変えるのも手。パン食の人は玄米パンやオートミールにしてもいいかもしれません」