「痩せ」が糖尿病リスクを上げる…「スリムな体形であればいい」は間違い
肥満やメタボの対策は盛んにいわれるが、痩せに関しては「礼賛」の傾向が強い。しかし、痩せも問題であることをしっかりと理解し、食べて運動してエネルギーを回し、健康な体を維持していく必要がある。
ただ、本人に「食べて運動して」と言うだけでは、問題解決につながらない。
「マイウェルボディ協議会が行った、標準体重の高校生、大学生1000人対象の調査で、標準体重の女性の54%が『自分のことを太っていると思っている』、88%が『少しだけ/とても痩せたいと思っている』との回答でした。また、46%がこの1年に体形に関するネガティブ発言を受けていました」
体形に関する指摘に加え、痩せたタレントや有名人が多数登場するメディアの影響、SNSからの情報、友人たちの「痩せている方がかっこいい」という考えに引っ張られる……などで、標準体重にもかかわらず、自分への体形への不満、そして痩せ願望へとつながっていく。
つまり、若い女性の痩せの問題を解決するには、本人への働きかけだけではなく、「痩せているほど素晴らしい」といった価値観を根本から転換させる社会的ムーブメント、さらには教育、医学的支援の3つの働きかけが不可欠だ。田村教授らは5年を目標に、若年女性の痩せ問題解決にしっかり取り組んでいくという。
さてこの記事を読んだみなさん。会社の部下や自分の娘に「ちょっとぽっちゃりしたね」「顔が丸くなったね」などと言ったりしていないだろうか? それがタブー発言であると認識することが、私たちの第一歩かもしれない。