ヘルニアと診断され痛み止めによる保存療法でしのいでいたが…
その患者さんは都内にお住まいの42歳の女性の方でした。1年半前に出産をされ、その時に腰に痛みを感じ、しばらくして自宅の近所の整体院で施術を受けたのですが、その日の夜になって、急に動けなくなるほどの激痛が腰に走ったといいます。
腰痛といっても原因やその症状はさまざまです。この方の場合は患部の状況がはっきりしていない状況で、整体の施術を受けたことが結果として良くなかったと言えそうです。
できれば整形外科で患部の状態を詳しく診ることができるMRI撮影を受けていれば……。当院のように360度のX線透過像をデジタルデータ化する機器を置いているところもあります。適切な治療で、激痛を起こすところまでいかなかったのではないかと、考えるのです。
この女性は翌日、整形外科を受診。ヘルニアと診断されたそうですが、残念なことに具体的な治療はなく、痛み止めによる保存療法でしのぐというものでした。
ちなみにヘルニアとは、椎間板の内部にある髄核というゼリー状の組織が飛び出して神経を圧迫してしまう疾患で、これが頚椎(けいつい)で飛び出せば「頚椎椎間板ヘルニア」で、胸椎で飛び出せば「胸椎椎間板ヘルニア」。そして腰椎で飛び出せば「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ばれます。この方の場合は腰椎だったわけです。