「ギャンブル依存症」体験記(3)消費者金融に手を出し13社から借りていた
返済日までに返せないと、消費者金融から電話がかかってきます。「いつまでに返済してもらえますか」と、最初は紳士的なんです。でも、約束の日までに返せないと、また電話がかかってきて、「いつ返すんだよ!」「待ってるんですよ、こっちは!」とだんだん言葉が荒くなってきます。
自宅まで来られて、ドアをドンドン叩かれたこともあります。怖かったですよ……! でも、隣近所に聞かれているので、ちゃんと対応しましたよ。自分のしでかしたことだから仕方がありませんしね。
友達や親から借りたことも、もちろんあります。ギャンブルで借金が膨らんでいることは誰にも秘密にしていましたから、友達には「家賃が払えないから5万円貸してくれない?」などとウソを言って……。すぐに返すので、また貸してくれるんですけど、その繰り返しです。親には「パソコンを新しくしたんだよね」って。これもウソ。でも、目先のお金のことで頭がいっぱいで、ウソをつくことに罪悪感はありませんでした。脳内がそういうふうになっていたのでしょうね。
借りるアテがついになくなり、40代後半の頃、路地裏にある“ヤミ金”の事務所に足を踏み入れたこともありました。当時の私は、「このままいったら、どうなっちゃうんだろう……」と、相当追い込まれていたんです。ドアを開けると応接セットがあって……映画で見るような暴力団事務所でした。でも、「ここはアナタのような人が来るところじゃありません」と言われて、帰されてしまいました。私に性的な魅力が少なかったから、無事だったのかもしれませんが(笑)。 =つづく
(構成=中野裕子)