がん放射線治療ウソ・ホント(3)現れる症状や程度は人それぞれ
インターネットで<放射線治療>と検索すると、<食欲不振><吐き気><脱毛><倦怠感>が目についた。6月に放射線治療を終えたばかりの私の体験となるが、まず食欲不振と吐き気、これはまったく感じなかった。治療中は病院近くのランチの食べ歩きを楽しんでいたぐらいだ。
「放射線治療でどんな症状が出るかは、治療する部位によります」と話すのは、国立成育医療研究センター放射線治療科の藤浩医師(放射線治療専門医)。
「乳がんの場合は、食欲不振はほぼありません。しかし、たとえば中咽頭がんは喉への照射なので、表皮だけではなく喉の中も焼けて荒れてしまう。そのため<食べられない>となり、食欲不振になる方が多いです」(藤医師=以下同)
次に脱毛だが、これも私はなかった。
「最近では、乳がん治療で放射線と抗がん剤を併用することはあっても、同時進行ですることはありません。しかしひと昔前はそうではなかったため、抗がん剤による脱毛を、放射線治療でも起こると勘違いしている方がいるのかもしれません。残念ながら医療従事者の中にも、情報が混ざっている方がいます」