健康寿命は経済力で決まる(4)輸入医薬品や医療材料が危ない
そんな状況にとどめを刺すかもしれないのが、価格の「逓減制」です。多くの国では、薬価などが一度決まると、特許が切れるまでは変わりません。しかし日本では時の経過とともに、どんどん下げられてしまいます。そのため海外のメーカーにとって日本市場の魅力が弱まりつつあるのです。すでに一部の医薬品で、日本への承認申請をパスするケースが出始めているようです。
未承認の薬や材料を使いたかったら、患者が負担して個人輸入するしかない。そんな時代がすぐ目の前に迫ってきているのかもしれません。
=おわり
(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科・永田宏教授)