虚弱は身体だけじゃない…視力が良くても「アイフレイル」の危険あり
「アイフレイルは加齢に伴う変化、外的・内的要因などさまざまなものが関係して起こります。中でも強く関係するのが緑内障、加齢黄斑変性症、糖尿病網膜症です(囲み参照)」
これらはいずれも失明に至る可能性のある病気であり、治療によって進行を遅らせることができるものの、視力低下が進んでから治療を開始すると、失った視力は取り戻せない(不可逆性)。07年の統計では、日本では164万人が視覚障害を伴い、18万7800人が失明と推定されていた。
「失明などの視覚障害が出るのは70歳代からですが、強調したいのは、そこに至る病気の始まりは40歳代からということです。例えば、日本の中途失明の最大原因である緑内障は、40歳以上の20人に1人が罹患しているという報告があります。不可逆性の病気がアイフレイルに関係していることを考えると、アイフレイル対策は40歳代から始めるべきです」
■転倒・骨折のリスクが2.5倍に
アイフレイルで視機能低下が顕著になると「一人で外出できない」「人の顔が判別できない」「薬を飲むのが難しい」「お札が分別できない」といった事態を招く。日常生活に制限がかかり、自立した生活が難しくなる。