米国でも大ヒットの“ダイエット薬”は認知症にも効果がある?
糖尿病薬「セマグルチド(商品名オゼンピック)」は痩せる効果でも注目され、ダイエット薬としても圧倒的な人気を誇っています。ダイエット薬の場合、商品名は「ウゴービ」といいます。
セマグルチドは、ノボノルディスク社が開発したGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬で、食後に腸内で分泌されるGLP-1ホルモンを模倣する働きがあります。それがインスリン分泌を助け、2型糖尿病の症状を抑えるのです。セマグルチドは脳と相互作用し、胃の内容物の排出を遅らせ、満腹感を与えます。食事療法や運動療法と組み合わせると、肥満症の人の体重を効率よく減らせるため、奇跡の薬と呼ぶ人もいます。
2型糖尿病患者100万人超の3年間の電子カルテを調査したのが、オハイオ州にあるケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部の研究者たち。調査の結果、セマグルチドを処方された人は、他のGLP-1薬を摂取した人と比較して、アルツハイマー病のリスクが40%減少したとのこと。
そもそも2型糖尿病の制御でアルツハイマーのリスクが下がる可能性があることはわかっています。果たしてセマグルチドが実際に認知症予防にどれほどの効果があるのかは、今後の研究が待たれることになります。