著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大腸がんは「左」と「右」で治療効果が異なる…右は治りにくい

公開日: 更新日:

 どこにできるかは神のみぞ知るですが、日本人の場合、S状結腸が3割で直腸が4割と左に多い傾向なのはラッキーといえるかもしれません。その幸運を逃さないためにも、早期発見です。なぜなら大腸がんは早期なら5年生存率が95%以上、全体でも70%。ここにも早期発見の重要性が見て取れます。

 早期の結腸がんならメスで開腹することなく、内視鏡で切除できるので肉体的負担が軽く、部位によっては日帰りも可能です。入院しても5日程度ですから、仕事への影響も少なくて済みます。しかし、進行すると、開腹手術で、特に直腸がんの場合は、周りに膀胱や前立腺、子宮や卵巣といった重要臓器のほか、自律神経もあり、手術が難しい。それで自律神経がダメージを受けると、性機能や排尿、排便に後遺症が出る恐れがあるので厄介です。

 その進行直腸がんでは最近、抗がん剤と放射線を組み合わせた化学放射線療法、あるいは化学放射線療法と抗がん剤を組み合わせるTNT療法なども普及。これらの後に手術を行うのが一般的ですが、腫瘍がほとんどなくなって手術を回避できることもあるのです。

 大腸がんは助かる可能性がありますから、万が一見つかったら、前向きに治療に取り組むことをお勧めします。

【連載】Dr.中川 がんサバイバーの知恵

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    星野監督1年目…周囲から浮いても関係ない「今岡は変わった」と思わせたくてアップから全力だった

  2. 2

    フジテレビ騒動で蒸し返される…“早期退職アナ”佐藤里佳さん苦言《役員の好みで採用》が話題

  3. 3

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 4

    若林志穂さん「生活保護受給」をXで明かす…性被害告発時のアンチ減り、共感者続出のワケ

  5. 5

    フジ・メディアHD経営刷新委に吉田真貴子氏の名前…"高級和牛ステーキ接待"で辞職→天下り疑惑の元総務官僚

  1. 6

    今季日本人13人参戦の米女子ツアー 厄介な「敵」は会場ごとに異なる芝質だけではない

  2. 7

    まさか破局? 綾瀬はるか《痩せすぎじゃ?》の声で気になる11歳年下アイドルとの結婚の行方

  3. 8

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  4. 9

    長澤まさみの身長は本当に公称の「169センチ」か? 映画「海街diary」の写真で検証

  5. 10

    フジテレビ危機で泣いた松本潤、笑うキムタク…「どうする家康」の黒歴史を“上書き”できない不運