犬の「アレルギー性のかゆみ」ならステロイド剤の頓服がよく治る

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 離脱量を頓服として使うということが大切なのです。

 この点をしっかり説明して理解していただいた飼い主さんに、ワンちゃんがかゆそうにしたり、かき始めたりしたときに、1回だけ離脱量を頓服で使ってもらうようにしています。

 そうすると、ステロイドの副作用はもちろんなく、症状が改善するため、飼い主さんに喜ばれているのです。

 ステロイド剤の頓服が優れている点は、もう一つあります。安さです。古くからある薬で、抗アレルギー剤の4分の1~3分の1程度。飼い主さんの負担軽減にもなるのです。

 前回触れた通り、ステロイド剤を規定量で長期に使用すると、炎症が抑えられることで体の免疫力も抑えられるため、もともと体内にいる細菌や真菌などが増殖することで生じる日和見感染症を起こすことがあります。そういう細菌や真菌は常在菌だけに本来は悪さをしませんが、体の免疫力低下で“敵”として振る舞うのが厄介です。

 しかし、繰り返しになりますが、離脱量の頓服なら、日和見感染症の心配はありません。

 一部で不信感の強いステロイド剤も、きちんと使えばとても心強い薬なのです。

(カーター動物病院・片岡重明院長)

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