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姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

中国の老人に超人的な体力が宿る本当の理由…筋骨隆々の体を自慢し合い健康増進

公開日: 更新日:

 多発する無差別殺人に「末法の世」を思わせる中国だが、高齢者の世界でも悲劇が繰り返されている。高齢化社会という日本と同じ課題を抱える中国の老人事情をのぞいた。

「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)の中国特集が日本の視聴者をギョッとさせている。番組には超人的な中国人高齢者が続々と登場するのだ。老人天国さながらの公園では、筋骨隆々の老人たちが鍛え上げた体を自慢しながら健康増進に取り組んでいる。ラジオ体操すら衰退し、人影もまばらな日本の公園とはまるで風景が違う。

■医療制度に決定的欠陥

 なぜ、中国の老人たちはこれほどまでに熱心なのか。上海在住の李さん(仮名、70代)は「中国ではがんになったら家が潰れると言われているからです」と明かす。李さんがほのめかすのは、中国の医療制度の問題だ。

 数年前、李さんの夫はパーキンソン病という筋肉が動かなくなる難病で他界した。末期の闘病生活をこう振り返る。

「看護師の仕事は注射と薬の配布程度で、身の回りのことは介護士が対応します。けれどもうちには介護士を雇うお金はありませんでした」

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