上場目指す「ポケトーク」の死角…親会社ソースネクストは2期連続赤字
ポケトークは日本のほか欧米、東南アジアなど世界で販売しており、23年6月時点で翻訳機市場におけるベンダー別販売台数は94.2%と圧倒的なシェアを占めている。22年12月には累計販売台数は100万台を突破した。特に米国では移民が増えて公的機関などで多言語対応の需要が急増し、業績が伸びているという。
また、23年3月には、法人向けのビジネスシリーズ「ポケトーク for BUSINESS」(同時通訳)の提供を開始。同年7月にはソフトバンクと「ポケトーク」に係る包括的業務提携契約を締結した。また、先月27日には富士ソフトと資本業務提携を発表し、株価は急騰した。
だが、ソースネクストは、「設備投資等で72億4900万円の有利子負債(23年3月末)を抱えている。また、連結業績は直近2期連続で損失計上が続いており、繰越損失の状態にある」(大手信用情報機関)という。広告宣伝費などの販売管理費が収益を圧迫している。
ソースネクストはポケトークの約85%の株式を保有している。上場で一部株式を売却するものの、連結は維持する方針だ。親孝行な子会社上場となりそうだ。