■最大277億円のツケが国民に
エルピーダは09年に改正産業活力再生特別措置法(産活法)の適用第1号に認定され、300億円の公的資金を得ていた。倒産で最大277億円のツケが国民に回ったことになる。公的資金を焦げ付かせた企業のトップが続投した例は坂本以外、皆無だろう。
エルピーダを引き継いだマイクロン広島工場には、日本政府が最大で2385億円の補助金を出した。「マイクロンに経営を引き継がせるために意図的にエルピーダを倒産させた」という疑惑は結局、解明されないまま終わり、坂本は経営の表舞台から消えた。 =敬称略