著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

エルピーダメモリ(下)計画倒産の疑惑が消えないまま坂本幸雄元社長は表舞台から退場した

公開日: 更新日:

■最大277億円のツケが国民に

 エルピーダは09年に改正産業活力再生特別措置法(産活法)の適用第1号に認定され、300億円の公的資金を得ていた。倒産で最大277億円のツケが国民に回ったことになる。公的資金を焦げ付かせた企業のトップが続投した例は坂本以外、皆無だろう。

 エルピーダを引き継いだマイクロン広島工場には、日本政府が最大で2385億円の補助金を出した。「マイクロンに経営を引き継がせるために意図的にエルピーダを倒産させた」という疑惑は結局、解明されないまま終わり、坂本は経営の表舞台から消えた。 =敬称略

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