果物から海の幸まで…「食卓のSDGs」で注目される企業3社はココだ

公開日: 更新日:

■「海幸ゆきのや」静岡県の田園地帯で育てる「幸えび」は万博の弁当にも採用

 最後は陸上で育てられているエビだ。「幸えび」(ゆきえび)とは、2020年に設立された海幸(かいこう)ゆきのや合同会社が、静岡県磐田市の田園で生産している国産のバナメイエビのことだ。抗生物質や保存剤を一切使っていない。大阪・関西万博の弁当の食材として採用されて注目を集めている。

 好きな人が多いエビだが、スーパーなどで買える90%以上が輸入もので、価格が不安定で輸入量が安定せず価格が高騰することもある。そのため国内産の安定供給が求められると考えられ2022年から事業がスタートした。

 養殖といえば海が主流だが、赤潮や台風など環境課題が多いのも事実。比べて陸上養殖は天候に左右されないため、次世代の水産業として注目されている。食糧自給率が低い日本においては、注目すべき養殖方式ともいえそう。

 東京ドームのグランドと同程度の敷地内に、縦40㍍、横12㍍の巨大水槽が6個あり、約1000万尾のエビが養殖されているが、汲み上げた地下水をエネルギー効率よくろ過・殺菌し繰り返し使用している。また水を排出する時もろ過・殺菌を行うことで環境への負荷を軽減。餌や排泄物で海を汚さず環境にやさしい仕組みだ。

「いまはまだ輸入エビよりも割高だが、生産コストをできるだけ下げて求めやすくしていきたい」(日納真吾社長)という。
              
(取材・文=浦上優/ライター)

  ◇  ◇  ◇

 環境や動物、健康を目的に動物性の食事をしないヴィーガン食が世界的に注目されたが、世界には驚きの代替えメニューが存在する。

 ●関連記事【もっと読む】キャビアに麻婆豆腐…“本物そっくり”な代替食品の最新事情 で詳しく報じている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • ビジネスのアクセスランキング

  1. 1

    フジテレビは株主総会に戦々恐々…宿敵ホリエモンら“くせ者”が日枝久氏ら経営陣に退陣要求も?

  2. 2

    ロピア(上)カトパンの夫が社長就任後に急成長 イトーヨーカ堂の7店舗を手に入れる

  3. 3

    トランプ政権もう不協和音?イーロン・マスク氏「ソフトバンクはカネがない」と78兆円AI投資に疑義の本音

  4. 4

    「私はTikTokが好きだ」…米トランプ大統領が一転、売却期限を90日間延長した理由と先行き

  5. 5

    大王製紙 井川意高元会長(1)106億円をカジノで溶かした超秀才の少年時代

  1. 6

    ジャック製菓 中野幹社長(1)就職内定を辞退して家業を継いだ3代目 ラーメン菓子「ヤッター!めん」が大人気

  2. 7

    auじぶん銀行 田中健二社長(4)とにかく顧客目線 2024年に顧客満足度「ネット銀行部門」で1位に

  3. 8

    auじぶん銀行 田中健二社長(1)氷河期にプロミスに入社 電話営業でも効率を考えた

  4. 9

    ネット通販で「確実にポチらせる」極意とは? 広告業界で“レスポンスの魔術師”と呼ばれた男が指南

  5. 10

    王将フードサービス(上)黒幕とされる人物は関与を否定「王将元社長とは友好的な関係だった」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  4. 4

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 7

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  3. 8

    和田アキ子戦々恐々…カンニング竹山が「ご意見番」下剋上

  4. 9

    紀香&愛之助に生島ヒロシが助言 夫婦円満の秘訣は下半身

  5. 10

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係