星野監督も苦言 スポーツ紙「横並び報道」のおかしさ
菅野に話を戻せば、彼が東海大4年の時、巨人が単独指名するといわれたドラフトで日本ハムにも1位指名された。抽選で日ハムが交渉権を獲得すると指名を拒否。祖父の貢氏は「菅野を指名するという挨拶がまったくなかった。人の道に外れている」と激怒し、菅野も説得を試みた日ハムのスカウトに対し「もう付きまとわないでください!」と吐き捨てたという。
菅野に指名を拒否する権利があるように、日ハムにも交渉する権利がある。それを一方的に非難、ストーカー呼ばわりして巨人入りをゴリ押しすれば、結果としてドラフトを形骸化させることになりかねない。
なのに、菅野や関係者の言動がおかしいと指摘したスポーツ紙は一社もなかった。そればかりか、菅野の巨人入りを“邪魔”したと日ハムを批判する論調すらあった。
「それも各社が巨人で商売しているからでしょう。メジャーリーグの報道は情も浪花節もない。今は幸運に恵まれて勝ち続けている田中マー君だって、すごい、すごいといわれているけれど、調子が悪くなればニューヨークのメディアだってすぐに手のひらを返すはず。少なくとも、長いものに巻かれろ、というようなことはありません」(前出の麻生氏)