打撃部門独占…米マイナー野手がセ・リーグばかり狙う理由
■潤沢な資金
そんなセ・リーグの「助っ人野手天国」に目を輝かせているのが、開幕メジャーの40人枠から漏れた米マイナー球団に所属する野手だという。
マイナーの給料は1シーズン、フル稼働しても300万~500万円程度。それが太平洋を渡っただけで年俸が数千万円に跳ね上がるばかりか、結果を残せばさらなる大幅アップが期待できる。特にセ・リーグは巨人、阪神を筆頭に高い年俸を払える潤沢な資金を持つ球団が多い。マイナー選手にしてみれば、1年働いただけで、何年分もの給料が稼げるうえ、仮に日本で成功すれば億万長者になれる可能性もある。バレンティン(年俸2億円)、マートン(同3億5000万円)らがその代表例で、彼らはすでに米マイナー選手の間で「憧れの存在」。年俸が数千万円しか稼げない一部メジャー選手からも、羨望(せんぼう)のまなざしで見られている。そんな事情もあって、今も米マイナー野手は「緊急補強」に動くセのスカウトらに猛烈なラブコールを送っているらしい。
「マイナー選手には日本以外にも台湾、韓国でプレーという選択肢もありますが、台湾は八百長問題、韓国は待遇の悪さで敬遠される傾向にある。それに比べ、日本は安全で助っ人への待遇、年俸もいい。日本の野球レベルに対しては『4A』という認識で、マイナー最上級の3Aとメジャーの中間という位置付けです。このレベルでやっていれば、マイナーにいるより実力が落ちないばかりか、スキルアップも見込める。日本で成績を残せば、メジャーに呼ばれる可能性だってあるわけです」(鈴村氏)