打撃部門独占…米マイナー野手がセ・リーグばかり狙う理由
外国人選手にとってこれほど「おいしい職場」はないんじゃないか。セ・リーグの助っ人野手が、開幕から揃いも揃って打ちまくっているからだ。
巨人に新加入したアンダーソン(32)が8日現在、打率部門でトップ(.387)を走れば、本塁打部門も昨シーズン60本塁打を放ったヤクルト・バレンティン(29)が故障を抱えながら12本で首位。打点と安打数は共に広島の主砲・エルドレッド(33)が36打点、47安打で、猛追する阪神・マートン(32)、ゴメス(29)、アンダーソンを抑えリードしている。パ・リーグは本塁打と打点で首位を走るペーニャ(32=オリックス)以外は日本人選手ばかりなのに、セの主要打撃部門は外国人選手に独占されているのが現状だ。
背景には、セ・リーグ投手陣のレベルの低さと、外国人野手を扱う代理人の思惑が絡んでいるといわれる。アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏がこう言う。
「助っ人の契約は、基本的に選手の代理人が決めます。代理人は選手に少しでも活躍できそうな場を選ぶ。毎年行われる交流戦で、パのチームが上位を独占することも、パに比べてセの方が投手力が劣ることも、代理人は熟知している。だから、代理人は選手に『セの方が結果を残せるよ』とアドバイスするのです。実際、ここ数年の外国人野手はパよりもセを好みますし、よりいい選手がセに流れる傾向にあるのです」