原監督が徹底マークする広島ドラ3田中広輔に巨人との“因縁”
■故・原貢氏の教えの「体現者」
闘志あふれるプレーも持ち味。同学年の菊池がこう証言する。
「去年のドラフトの後、(漫画)ドカベンの土佐丸高校ばりの“殺人スライディング”の気合の入った選手が入ってくるってチームで話題になったんです」
高校時代、県大会決勝の本塁でのクロスプレーで相手捕手を負傷退場させてしまった。周囲に批判されたこともあったが、これこそ「闘志なき者は去れ」という東海大相模元監督で原監督の父でもある故・原貢氏(東海大野球部名誉総監督)の教えだった。
原監督は新人と見ていない。前日の試合で田中が内海から2安打すると、2死走者なしで回ってきた第4打席で、田原に代えて左の山口を投入。田中は「あと1本打っていれば打率が3割に乗っていたんです。原監督があそこで山口さんに代えてくるとは……」と絶句。敵将が実力を認めている証しでもある。
昨年3月に東海大相模の同級生でもある亜子夫人(24)と結婚。同12月に式も挙げた。新婚旅行にはまだ行っていない。
「オフになったらハワイに行きます。これがV旅行だったらいいですよね」
巨人との差は3・5ゲームと再び射程圏内。原監督の流れをくむ男が、今度は原監督の頭を悩ませる広島のキーマンになりそうだ。