初場所カド番 豪栄道を大関昇進させた相撲協会の“勇み足”
「だからやめときゃよかったのに…」
角界ではそんな声すら聞かれる始末だ。
7月場所後に大関昇進した豪栄道(28)。9月場所は8勝7敗と何とか勝ち越したものの、11月場所は5勝10敗。来年1月場所はいきなりカド番で迎えることになった。
当初から豪栄道の昇進には疑問の声が上がっていた。直前の3場所で33勝以上が目安だが、豪栄道は12勝、8勝、12勝で32勝。それ以前に、普通は8勝しか挙げられなかった時点で大関どりは消滅するもの。親方衆も力士も記者も、角界の誰しもがそう思っていた。それが7月場所終盤になって突然、審判部が昇進話を蒸し返したのだ。
相撲協会としては土俵の目玉になる日本人力士が欲しかった。遠藤は顔以外はパッとせず、稀勢の里の綱取りも絶望的。そこで豪栄道に白羽の矢を立てたのだろうが、皮肉なことに9月場所で「モンゴルの怪物」逸ノ城が幕内デビュー。角界はこのザンバラ髪の力士の話題で持ちきりとなり、「大関豪栄道」の影は今もなお薄いままだ。
大関昇進におけるあしき手本として後世に残ることは間違いない。