タイトルか引退か…巨人・阿部 一塁転向でむしろ崖っぷち
原監督は「三冠王を」なんて言っている。
14年にわたって巨人の正捕手を務めてきた阿部慎之助(35)が、今季から一塁にコンバートされることになって、周囲には好意的な見方があふれている。「精神的にも負担の大きい正捕手というポジションを離れ、打撃に集中できるのは大きい」「故障がちな体のことを考えれば、一塁転向で選手寿命は間違いなく延びる」というのだが、阿部の母校・中大の元監督で評論家の高橋善正氏は逆の見方をする。
「一塁転向でむしろ、現役選手として崖っぷちに立たされた、とみるべきでしょう。確かに、一塁専任のプラスはある。ここ数年は首、左ふくらはぎ、腰を痛めて満身創痍だった。正捕手としての投手のリードを含めて主将、主砲と一人何役も背負ってきた重圧から解放されれば、心身の負担は減るでしょう。逆に言えば、バッティングで圧倒的な成績を残さなければいけなくなった。昨年の阿部の成績は131試合で打率.248、19本塁打、57打点。不振を極めたが、それでも<扇の要として投手陣を牽引してるから>とか<主将としてチームをまとめているから>と周囲はそういう目で見てくれた。仕方がないと。一塁専任の今季はそういうエクスキューズがなくなるわけですからね。当然、期待される数字のハードルは上がります」