仙台育英・佐々木監督語る “県外出身者”勧誘に消極的な理由
■春と夏ではチーム状態がまるで違う
――それでも仙台育英という名に引かれて入学する子は後を絶たない、と。
「希望者には夏に野球部を見学させるんです。そこで自己申告で自分のデータを書いてもらう。その中に50メートル9秒台、他のデータも軒並みダメで、見た瞬間に『こりゃあ無理だ』と思った子でも入学してきましたよ。最初はグラウンドを走らせたら他の子に2、3週遅れた上にけいれんを起こして倒れたこともあった。それでも3年になったら皆についてこられるようになった。あの子の成長はうれしかったですね」
――そんな強豪校も、センバツは優勝候補に挙げられながら2回戦負け。夏こそはという思いがとても強いのでは?
「強豪とは思ってないんですけどねえ……。おかげで私の発言が独り歩きすることもあって怖い怖い(苦笑い)。まあ、今回ですが春のリベンジということはまったく考えていません。だって春と夏は別物ですから。センバツ出場校は半年も前の秋季大会の結果で決まりますよね? 半年前に強かったチームが集まって戦う。これはもうどうなるか分かりませんよ。それにウチが優勝候補といわれたのは神宮大会で優勝したからですけど、あの大会では敦賀気比さんなどはエースを投げさせてませんからね。それに比べると、夏は県大会を勝ち上がった今が旬のチームが集まっています。夏と春では、そこが違うんですよ」