「超変革」で好調も 虎看板選手に足りない“大阪的なもの”
要するに実績や貢献度は申し分なくても、阪神ファンには物足りないのだ。
2000年に巨人から移籍してきた広沢克実(54)は、お立ち台で六甲おろしを熱唱してファンのハートをつかんだ。今季から一軍作戦兼バッテリーコーチを務める矢野燿大(47)や、昨年限りで現役を引退した関本賢太郎(37)は「必死のパッチで打ちました」と声を張り上げ、ヤンヤの喝采を浴びた。かつてはサービス精神旺盛な選手が多かった。
「とはいえ、単に面白ければいいっていうものではありません。例えば、ミスタータイガースの村山実は真面目の塊だった。でもストライク、ボールの判定を巡っては審判に涙ながらに訴えかけ、それがファンの心を打った。高卒のドラフト6位で入団してきた掛布は、あの小さい体で甲子園では不利といわれる左打者なのに、逆方向に本塁打を量産した。何よりチャンスで打席に立つと、ファンの期待を裏切らなかった。リップサービスが苦手なら、せめて感情をむき出しにしてガムシャラにプレーして欲しい。阪神ファンというのは、阪神のことが好きで好きで仕方ない。だから人一倍チームを愛する選手を応援したくなるのです」(山口氏)
12球団一熱狂的な阪神ファンを満足させるのは大変だ。