育成どこへ? 楽天ケガ人続出でオコエ降格のてんやわんや
苦渋の決断――と言いたいのだろうが、よくよく考えれば「何を今更」でもある。
14日、楽天の高卒ルーキー、オコエ瑠偉(18)が登録抹消された。楽天は藤田、今江と主力野手にケガ人が続出し、この日はリードオフマンの岡島まで椎間関節炎で二軍落ちした。そこで二軍から急きょ、内野手の中川と外野手の島内を昇格させた。オコエは一軍登録枠のあおりを食った形だ。
梨田監督は、「これだけ故障者が出ているからね。緊張事態だよ」と説明したが、それはつまり、「オコエがいたって戦力にはならない」と言っているに等しい。外野手の岡島がケガをし、外野手のオコエを降格させ、外野手の島内を一軍に上げたことを見れば一目瞭然だ。
そもそも育成目的で高卒新人を一軍に置くからには、試合に出して経験を積ませなくては意味がない。しかし、梨田監督はオコエを開幕一軍に抜擢しながら、起用は守備固めや代走がほとんど。バットを持つ機会を与えたのは11試合でたったの8打席だった。それを今になって“客寄せパンダを置いておく余裕がない”というのだから、一体何がしたかったのか。
オコエは「(一軍は)いい経験になった」と前を向いたが、果たしてどうか。今日からがプロ野球選手としての本当のスタートと割り切って、二軍で遅れを取り戻すしかない。