「1~3番固定が勝因」 衣笠祥雄氏が広島25年ぶりVを語る
「今季の一番の収穫は田中でしょう。もうひとつは中日からルナを取ったこと。ルナの打撃のうまさのおかげで、1番・田中、2番・菊池、3番・丸をほぼ固定できた。3人が安心して自分の役割に専念できるようになりましたね。昨年までは菊池と丸を動かさざるを得なかった。2年目の緒方監督が昨年1年見て決めた『勝負の一手』でしょう。他の5球団は1、2、3番を固定できなかった。巨人をはじめ、他は故障者や調子が悪い選手が多すぎましたよね。カープだけがまともに野球ができたんです」
――打点王を突っ走る新井は、39歳ながら全盛期に近い活躍です。
「2000安打を達成したいという大きなモチベーションがあったと思います。昨年、黒田が帰ってきて『オレたちは優勝できる』という雰囲気にチームがなった。同じ時期に頑張って一度チームを離れた2人が、外で経験を積んで帰ってきた。黒田との相乗効果ですね」
――黒田は毎回「これが最後になるかもしれない」と思ってマウンドに上がるそうです。
「そこが彼の試合にかける思いかもしれません。悔いのないように終えたいというね。黒田らしいなと。本音からいうと、みんな死ぬまでやりたいんですよ、野球選手を。でも、できないわけです」