引き分けも負けに等しく 巨人の逆転CS進出を阻む虚弱体質
勝負の5戦を前に、主将の坂本は「常に優勝争いをさせてもらい、負けられない試合というのは何度も経験している」と言い、高橋監督も「そうやって育ってきた選手が多い。(勝負強さは)身に付いている」と自信たっぷりに語っていたが、この日の試合ではむしろ「勝負強さ」どころか「ひ弱さ」が露呈した。
阪神先発の藤浪を前に三回まで2安打1得点。荒れ球で鳴らす「抜け球王」に打席で腰が引け、揃いも揃って踏み込めない。得点は、ベースから離れて立つ長野の本塁打による1点だけ。四回に奪った3点は、その藤浪が坂本に当てた死球から崩れるという、相手の自滅によるものだった。
同点に追いついた九回も敵失だ。相手の失策と言っていい内野安打と四球でもらった無死一、二塁で代打の橋本が左前にポテンヒット。これに左翼・福留の悪送球が絡んで1点が転がり込んできたが、橋本の適時打も犠打を決めきれなかった末の結果オーライである。
「今季の巨人は1点差試合で11勝24敗、勝率.314。これはリーグワーストです。坂本や阿部ではなく、小技をきっちりとこなすべき役割の選手が決めなければ、Aクラス入りは見えてきません」(前出の橋本氏)
巨人にとっては負けに等しい引き分けになった。