パの4番はなぜ中田翔? オールスター第1戦での違和感
プロ野球・オールスターの様相は本当に変わった。今は交流戦があるため、リーグの垣根を越えた「夢の対決」に説得力を感じなくなり、各チームのスターが同じベンチに居並ぶ光景も国際試合で見慣れてしまった。
それに反して、かつてのオールスターは本当にワクワクしたものだ。特に印象的だったのは西武・清原和博と巨人・桑田真澄の、いわゆるKKが初めてオールスターで対峙した1987年の第3戦。当時19歳の桑田が投じたインハイのストレート(ボール気味だった)を、同じく19歳の清原が見事に打ち砕いて、2人の聖地ともいえる甲子園のレフトスタンドにホームランを放った。
今の球界の仕組みを考えると、ああいう緊張感は二度と戻ってこないのだろう。それは確かに寂しいことだが、同時にこれからは新しい楽しみ方を見つけるしかない、という思いにも駆られる。
今年のオールスター第1戦。セ・リーグのラインアップを見ると、4番に座ったDeNAの筒香嘉智のオーラに目を奪われた。いつの間にか、本当に4番らしい貫禄をまとうようになった。ヤクルト・山田哲人やバレンティンもいいけれど、「セの4番」という冠にふさわしいのは、なんとなくだけど、確かに筒香だと思えてならない。そういえば、かつてのオールスターには「誰が4番に座るのか?」という打順を見る楽しみもあった。それはまだ生きている。