評論家が苦言 御嶽海初Vは「大相撲のレベル下がった証拠」
稀勢の里は歴代最長の8場所連続休場。場所前には「相撲勘が戻らない」と話していたが、それだけ休めば当たり前。次の9月場所で進退をかけるとはいえ、あまりに決断が遅すぎる。
さらに横綱不在だからこそ奮起すべき大関陣も、期待の新大関・栃ノ心は負傷休場。残る高安、豪栄道は優勝争いにも絡めなかった。
「千秋楽の結びの一番が9勝5敗の大関同士なんて、みじめというか、あまりにひどすぎる。高安があっさり送り出されるなど、内容もない。あんな劣等大関同士の取組が今場所のシメで、よくお客さんは怒りませんね」(前出の中澤氏)
叩き上げの力士は、学生相撲出身力士に勝てず、横綱陣のアタマにあるのは自分たちの都合だけ。
大関も不運なアクシデントで休場した栃ノ心以外は、上を目指そうという向上心のカケラもない。地位に安閑として、216万9000円の月給を手にできればそれでよし、という態度である。
朝青龍、白鵬と続いた土俵上のモンゴル帝国は、すでに崩壊寸前。大相撲戦国時代の幕開けと言いたいところだが、御嶽海、栃ノ心以外にこれといって頭角を現しそうな力士がいないのが現状だ。
御嶽海の初Vは、「土俵の充実」が掛け声倒れであることの証明でもあるのだ。