キプチョゲ驚異のマラソン世界新 酷暑東京は日本に有利か
日本選手は2年後の東京五輪で、こんな怪物や2時間3、4分台の記録を持つ連中と走らなければならないわけだが、「暑さが厳しい方が日本選手のチャンスが広がる」という見方もある。
ある実業団の関係者が言う。
「マラソンはスタート時間が午前7時に繰り上げられ、サマータイムの導入まで検討されている。高地育ちのアフリカ勢は厳しい暑さに弱いといわれている。途中棄権者が続出するような酷暑下のレースの方が、日本選手には有利ではないか。谷口浩美が2時間14分57秒のタイムで金メダルを取った1991年の世界陸上(東京大会)がそうだったように」
91年世界陸上の男子マラソンは午前6時スタートでも湿度が70%以上もあり、レース中は30度以上まで気温が上昇。暑さでペースは上がらず、20人以上が途中棄権した。しかし、前出の菅原氏はこう反論する。
「リオ五輪のマラソンは気温が25度前後でも湿度が83%もあった。その中でキプチョゲは2時間8分44秒で優勝。北京五輪も後半の気温が30度に達しても、サムエル・ワンジル(ケニア)は2時間6分32秒の五輪新記録で金メダルを手にした。酷暑だとアフリカ勢は不利になるなんてことは考えず、日本選手は自らのレベルアップに励むべきです」
どんな環境でも、力のない者にメダルは取れない。