日ハムと巨人では“雲泥の差” 注目2球団補強の中身と狙い
もっとも、このOB氏によれば、「今年のドラフトからようやく以前のように、素材の良さそうな選手をかなり獲得できた」そうだ。「ドラフトと育成」を2本柱とするチーム方針は変わらないそうだから、金子と王柏融はあくまでも次世代の若手が育つまでのつなぎということになる。
■巨人は岩隈の調査まで
そこへいくと相も変わらず、定見のない補強を繰り返しているのが巨人だ。
FAで広島の丸(29)と西武の炭谷(31)を獲得したばかりか、オリックスを自由契約になった中島(36)や、今季メジャーで20本塁打のビヤヌエバ(27)まで補強。総額45億~50億円規模の大金を投じて、正捕手の小林や一、三塁を守る可能性のある若手成長株の岡本、阿部らとポジションの重なる選手を取った。
それでも山口オーナーによれば「補強はまだまだ半ば。十分に戦力を確保したと言える状況ではない」とか。今後は抑え候補の外国人投手や日本球界復帰の可能性のある岩隈(37)の調査をしていくらしい。
その補強のすさまじさは、日本ハムの比ではないし、例年以上だ。彼らが金額にふさわしい働きをして、それがチームの勝利につながればともかく、そうでなければいまいる選手たちは面白くないに決まっているし、出場機会が減れば波紋も生じる。過去に大金を積まれて新たに加入した選手たちにしても、過度の期待によるプレッシャーから持てる実力をフルに発揮できなかったケースの方が圧倒的に多い。
巨人と日本ハム。このオフ、同じように補強に血道を上げる両球団だが、中身やスタンスには雲泥の差がありそうだ。