稀勢の里を描いた「愚直」の荒井太郎氏に聞く7月場所展望
――先場所は平幕の阿炎(25)、竜電(28)が三賞を受賞し、小結になった。今場所も平幕の活躍は期待できますか?
「大栄翔は、手が伸びていくような突っ張りが魅力ですね。低い姿勢からもろハズで押す志摩ノ海も、相手が嫌がる相撲が取れる。新入幕の貴源治は十両で苦労した分、一気に開花するかもしれない」
■逆転相撲も紙一重ではない
――ちなみにV予想は?
「白鵬ですね」
――近年は休場が増えてきたが……。
「1場所単位で見たら、まだ一番強い。現在優勝42回ですが、40回目(17年11月場所)からは、優勝した前の場所を休場している。休養十分で本場所に臨めば、まだ他の力士との実力差はずぬけている。今回も先場所を休んでいますからね。その姿勢がいいか悪いかは、別の話ですが……。ただ、連覇する力はもうないと思います。昨年から栃ノ心、御嶽海、貴景勝、玉鷲、朝乃山と初優勝ラッシュが続いていますが、すべて白鵬が休場した場所です。普通に考えれば、白鵬が休んだら次に強い横綱鶴竜が優勝候補筆頭になるはずですが、実際はそうなっていない。優勝争いという点においては白鵬以外、横綱も平幕も横一線というのが現状です」