プロ野球選手が引退後に進路で頭を抱える理由と環境
あとは、周りがつくり出す環境も悪いなと思いますね。「野球をやっているときは野球のことだけ考えろ」と言う人がいるけど、それっておかしいじゃないですか。辞めた後のこともある程度はビジョンを描いて考えておかないと、絶対に苦労する。
解説者の人でも「現役中は野球のことだけ考えて……」と言う人がいる。でも、引退後にコーチや解説者になれる人は毎年、全体の1割程度(2018年は136人中16人の11.7%、17年は126人中10人の7.9%=ともに学生指導者を含む)。あの人たちは絶対に現実を分かっていないんです。
周りの目もあるかもしれません。現役中に引退後のことを考えること自体が恥ずかしかったり、周りに対する見えもあるんじゃないか。僕は全然気にしなかった。現役のときから後藤武敏さん(現楽天二軍打撃コーチ)に「会社をつくりたいんです」と話していましたね。
だから、24時間野球のことだけを考えるなんてことはなかったし、無理です。そんなの、頭がおかしくなりますよ(笑い)。僕は球場へ向かう車の中で引退後のことに頭を巡らせたり、寝る前にビジネス書などを読みながら備えていました。(つづく)