阪神異例“ストーブ取材禁止令”の笑止 元球団社長も首捻る
■マスコミを抑え込めると
阪神元球団社長の野崎勝義氏はこう言う。
「私は社長時代、7月末の早い時期に野村克也監督のウソの去就問題を書いた社について、選手やスタッフへの直接取材を2~3カ月禁止にしたことがある。その社は野村監督との間に確執があった。球団としては続投要請をするつもりでしたし、7月に『今季限り』と違うことが報じられるとチームがガタガタになる。明らかに球団に対する妨害行為だと判断しました。ただ、甲子園球場内の出入りまでは規制はしませんでしたし、グラウンド外の取材まであれこれ言うことはなかった。今回のケースは、あくまでお願いという形で強制力はないものでしょうが、そうすることでマスコミを抑え込めると思っているのではないでしょうか。マスコミの存在意義を理解していたら、こういう態度は取らないはずなんですが……。球団は人事のことを書いてほしくないにせよ、マスコミには報道の自由がある。先日はスポーツ各紙が来季のコーチ人事を報じていましたが、マスコミ側も球団の意向を忖度してか、極力、球団が嫌がることをしないように感じます」
阪神は全国屈指の人気球団。ファンは日々、阪神情報を求めている。ファンへの伝達役であるマスコミに圧力をかけ、都合の悪いことを封じるような姿勢は、アキれるほかない。