センバツ中止が選手と出場校に与える計り知れないダメージ
「残念だが、夏に向けて気持ちを切り替えてやるしかない」
センバツ中止の報を受け、出場32校の大半の監督や主将はこうコメントしたが、「気持ちを切り替える」のは至難の業ではないか。
昨秋の地方大会と地区大会を勝ち抜き、やっとつかんだ甲子園切符。球児たちは19日の開幕に向けて体も気持ちもピークにもっていくような調整をしていた。1週間前には無観客ながら開催を前提とした準備をするよう指示されてもいる。なのに突然、はしごを外された。中止が決まって泣き崩れた球児がいたのも当然で、甲子園という目標を失ったいまの選手たちは腑抜けみたいなものだろう。
ある出場校の野球部関係者は「夏に向けて頑張って欲しいけど、気持ちをすぐに切り替えることはできないと思う。落ち込んだ生徒たちが心配です」と話している。
高野連の八田会長は会見で、「高校野球は学校教育の一環」と繰り返したが、甲子園を目指すような球児にとっての高校野球は「教育」以上の存在になっている。甲子園は野球で一流企業、名門大学に進むための登竜門。プロを目指す球児にとってはショーケースなのだ。