浦山監督の指導下 食って鍛えて強くなった富山商高の3年間
■浦山監督の手作りちゃんこ
現在、富山商高で相撲部監督を務める上田龍弘氏も、浦山監督の教え子だ。
「私が朝乃山を初めて見たのは、彼が左ヒジを負傷した中学3年の大会。彼が高2のとき、私が教育実習で母校を訪れたんです。久々に見たら体が大きくなって、相撲も強くなっていましたね。当時は教育実習中なので彼とそこまで接したわけではありませんが……」
上田監督は浦山監督の指導について、こう語る。
「厳しい方でした。情熱的だけど、練習はしんどい。その分、力がついてきたと実感できる。相撲がどんどん面白くなり、さらに練習にも身が入る。基本である、前に出る相撲を叩き込まれました。技術指導もありますが、基礎体力のトレーニングが多かったですね。練習で相撲を取ったあとに筋力トレーニング。稽古場は学校の近くに富山県体育協会の相撲場があり、そこを使用していました」
力士は食事も稽古だといわれている。浦山監督も体づくりのため、定期的に部員に食事を振る舞うことがあった。