大相撲「感染者出ても7月場所続行」に立ちはだかる2つの壁
そのひとつが、感染者が出た場合、いったい何人をどれだけ休場させるかの判断だ。相撲は接触を伴う競技。集団生活を送る相撲部屋や多くの力士でひしめく支度部屋は3密の極致だ。場所中に感染力士と戦った相手も、数日間は検査のために休場する必要があるだろう。付け人や同部屋の力士、親方だって例外ではない。連鎖的に休場、休場となり、本場所に上がれる力士が激減しかねない。
支度部屋に代わる場所もない。
「例えば、国技館の地下の大広間。広いことは広いですけど、絨毯の床ではすり足はできない。テッポウをする柱もない。着替えるだけならともかく、調整ができないのは力士にとっては痛い。支度部屋の床は打ちっぱなしのコンクリ。取組前の力士が付け人にぶつかるなど調整ができることも大事ですから」(ある親方)
■公傷制度
力士への救済措置も無視できない。普通、休場は負けたものとして計算され、翌場所の番付に反映される。今回は状況が状況だ。感染でなくとも、発熱の検査で数日休んだ分の日数は番付に影響が出ないよう配慮する必要があるだろう。でなければ、体調不良を隠す力士が出てくるかもしれない。