松井への死球でナインから「そんなに嫌い?」と冷やかされ
なんと、内角を厳しく攻めたつもりのボールは松井の左ヒザを直撃。彼は07年オフの右ヒザ手術に続いて、08年オフに今度は左ヒザを手術したばかり。そこにぶつけてしまったのです。
「うわー! やっちゃったぁ……。せっかくの日本人対決でデッドボールかよ。しかも、よりによって左ヒザか……」
と内心、頭を抱えましたけれど、メジャーはぶつけた投手が相手に頭を下げるのはご法度。謝るのはすなわち、故意にぶつけたことを意味するからです。それでも一塁に向かう松井には周囲にそれと気付かれないほど軽く会釈をすると、向こうは僕を見ながら含み笑いをしていました。何ともバツが悪い対戦でしたが、この話はこれで終わりません。
気を取り直して次の打者に投げたところ、なんと投ゴロ併殺。手術したばかりの左ヒザに当てた揚げ句、ヒザの悪い松井を二塁に走らせてアウトにする結果になってしまったのです。
ベンチに戻ると、ナインからいじられるわ、いじられるわ。
「おまえ、アイツのことがそんなに嫌いなのか?」