ドラフト会議の選手指名 球団は学校の成績を重視するの?
当時、勉強を教えた野球部OBがこう話していた。
■30分と机に向かっていられなかった
「一番、真面目に勉強に取り組んでいたのは堀場だね。江川? 30分と机に向かっていられなかったな」
勉強が嫌いだったのか、それとも「自分が落ちるはずがない」とタカをくくっていたのか。結局、江川氏は受験に失敗。法政大学法学部二部に進んだ。一方、中尾氏と堀場氏は一浪して慶大受験に再挑戦し、堀場氏は慶大法学部に合格。中尾氏は専修大に入学した。
ところで、プロ野球の球団は選手を指名する際、学校の成績をどの程度、参考にするのか。広島カープや西武ライオンズで監督を務めた根本陸夫氏(享年72)が西武で選手獲得の責任者である管理部長をしていた時、こう言っていた。
「ドラフトで選手を指名する時に学校の成績表を見るかって? 高校生は見ないな。大学生は見るよ。大学生は現役を引退した後、球団のフロントとして採用することがあるから」
学業が問われるのはユニホームを脱いだ後のようだ。
▽富岡二郎 スポーツジャーナリスト。1949年生まれ。東京都出身。雑誌記者を経て新聞社でスポーツ、特にプロ野球を担当。